とは
墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去・解体して更地にし、土地の使用権をお寺や霊園の管理者に返還することです。
取り出した遺骨を新しい納骨先へ納骨(改葬)するまでを含めて墓じまいと考えるのが一般的です。
墓じまいをする人が年々増えており、社会的にも注目されています。
厚生労働省の衛生行政報告例では2022年度、墓じまいの件数は全国で15万1076件と過去最多となりました。
出典:衛生行政報告例 | 厚生労働省ホームページ
墓じまいをする人が増えている理由は、社会的な変化やお墓に対する考え方の変化、供養方法の多様化などさまざま理由があります。
以下は墓じまいをする主な理由について解説します。
墓じまいをする理由で最も多いのが「お墓の管理が困難」という理由です。
・「お墓が遠方にある」
・「管理してくれていた親戚がいなくなった」
・「永続的な管理が精神的ストレスを感じる」
・「加齢等による維持管理の難しさ」
以上のように、お墓の管理が困難になり墓じまいをする方が多いです。
近年、少子高齢化や核家族化によりお墓の後継者がいないケースが増えています。
お墓の後継者がいないことに不安を感じ、自分たちの代で墓じまいを選択する方がいらっしゃいます。
他にも、
・「子供が独身または子供がいない」
・「子供や孫に負担や迷惑をかけたくない」
・「子供が海外在住、または嫁いでいるため継承が難しい」
・「子供が地元に帰らない」
・「後継者がいるが、地元から離れ都会に生活拠点がある」
以上のように少子高齢化や核家族化が進むご時世だからこそ、墓じまいを選択する方が多いようです。
お墓を維持、管理していくには管理料やお布施などの費用がかかります。
・「毎年の管理費やお寺への檀家制度、お布施等が大変」
・「お墓参りをするだけでも、交通費の出費がかさんでしまう」
などの経済的な理由により墓じまいをする方も少なくありません。
・次世代に負担を掛けず自分世代で終わりにしたい
・流行っているから
・自分たちの代で供養したい
・お寺とのおつきあいを子供に継がせたくない
・故郷のお墓が遠いので近くに移したい
・お寺の墓地で高額なお布施や寄付を募られることに疑問を感じる
・樹木葬が流行っており、永続的な管理が不要
・終活の一環として
・お参りが大変な場所にある(山の上など)
・自分の老後に地元に戻る予定がない
・自分の体調が悪くなり、お墓の整理を考えざるを得ない
墓じまいにかかる費用は、約100万円~300万円と言われています。
お墓の形状やサイズ、立地によって費用は異なります。
では、詳しい墓じまいにかかる費用の内訳を見ていきましょう。
お墓の撤去費用は1㎡あたり約10万円~15万円です。
墓地の種類やお墓のある場所によって、もう少し費用がかかることがあります。
指定石材店制度がある墓地では、お墓を建てる際にお願いをした石材店に依頼するケースが多いですが、石材店を自由に選べる墓地もあります。
行政手続きに必要な費用は「埋葬証明書」「改葬許可書申請書」「受入証明書」の発行手数料で、約300円~2,500円です。
墓じまいを行う上で、行政の手続きは必須となります。
お布施の相場は約5万円~20万円です。
一般的には、「離檀料」と言う事もありますが、「離檀料」というフレーズはなるべく使わず、「今までの先祖や家族のために、供養をしてくれた御礼」としてお布施を包みます。
新しい納骨先の平均費用は約100万円~250万円と言われています。
供養方法によって、費用は大きく変わってきます。
新しい改葬先は以下が挙げられます。
一般墓:100万~300万円
樹木葬:20万円~100万円
永代供養墓:5万円~150万円
納骨堂:20万円~180万円
散骨:2万円~100万円
手元供養:5万円~20万円
電話または来店でご相談いただき、現地調査後見積り作成いたします。
ご提案した見積もりにご納得いただけましたら、墓じまいが開始されます。
まずは、家族や親族から同意を得ましょう。
事前に相談せずに、墓じまいを進めてしまうと後にトラブルに発展するケースも少なくありません。
また、霊園やお寺からの承諾を得る必要もあります。
お寺の場合は、前もって墓じまいをする理由を丁寧に説明し、ご住職に理解を得てもらう必要があります。
一般的な墓地から散骨まで、様々な供養方法がありますので、よく検討することが大切です。
希望の供養方法や費用の目安などあらかじめ決めておくと、スムーズに決められるでしょう。
現在の墓地がある地方自治体に改葬許可申請(引越し時の転出転入届のお骨版)を行います。
「改葬許可申請書」式は自治体によって異なり、ホームページからのダウンロードや電話で取り寄せできる場合もあります。
申請書に記載する要素は、申請書(墓地管理者)、埋葬遺骨、墓地管理者、遺骨受入先を記入します。
※遺骨の移し先により不要な場合もあります。
閉眼供養とは、墓じまいを行うにあたりお墓から遺骨を取り出す際に、ご先祖様や故人様の魂を抜く儀式のことです。
遺骨の取り出しには、基本的に指定されている石材店に依頼をします。
墓石の撤去処分は石材店に依頼します。
面積や立地によって費用が異なるため、あらかじめ現地調査と見積りを依頼して確認しておきましょう。
工事が終了し、更地に戻す(現状復帰)と墓地返還が終了となります。
新しい改葬先に遺骨を埋葬する際に、改葬許可書の提出が必要となります。
納骨時には、「開眼供養」を行います。
開眼供養とは、新しいお墓に故人の魂を入れる儀式の事です。
ここまでが墓じまいの流れとなり、100万~300万円が目安の金額となります。
手続き開始から完了となるまでに通常3ヶ月~2年を要します。
墓じまいをすることで、現状のお墓の管理をする必要がなくなる為、様々なメリットが考えられます。
実際にどのようなメリットがあるのか解説していきます。
お墓の維持・管理にかかる身体的、精神的、金銭的な負担を軽減することができます。
お墓を維持・管理していくには、定期的にお墓の掃除をしていかなければなりません。
お墓が遠方にある方は行くだけでも身体的に疲れてしまいストレスと感じる方も少なくないでしょう。
また、お寺にお墓がある場合、年間管理料や寄付金、お布施などが必要になるため永続的に金銭的な負担がかかります。
墓じまいをすることで、お寺との付き合いがなくなり金銭面の負担が軽減されることになります。
墓じまいをしてお墓を移すことで、子どもや孫への負担を軽減できます。
お墓は通常、家族や親族によって継承されていきます。
継承というのは、ただ引き継ぐだけではなくお墓の管理や供養を引き継ぐ責任があります。
お墓の維持には、年間管理料や寄付金、法要の際のお布施など必要不可欠となります。
年間管理料やお布施がかからない樹木葬や永代供養墓にお墓を移すことで、子どもや孫への負担を軽減することができます。
墓じまいをして自宅の近くにお墓を移すことで、お墓参りがしやすくなり、管理や清掃も定期的に行うことができるようになります。
墓じまいを考える理由の1つとして、「お墓が遠方にあるため管理が難しい」という理由で、墓じまいを考える方は非常に多いです。
遠方にお墓があると、なかなかお墓参りに行けず、管理や清掃も十分にできません。
墓じまいにはデメリットもあります。
親戚や家族とのトラブルや、金銭的なトラブルなどです。
事前に知っておき、対策をすることでトラブルを回避できます。
お墓は先祖代々継承されてきた、家族の歴史や思い出が詰まっているものです。
そのため、家族や親族から了承を取れても、中には「先祖を粗末にする」と考える人もいます。
墓じまいの検討をしている方は家族、親族としっかり話した上で進めていくことが重要です。
墓じまいをするということは、お寺の檀家をやめることになります。
一部のお寺では、離檀料を求めないところもありますが、高額な離檀料を請求するお寺もあります。
離檀料は法律で義務付けられているものではありませんが、先祖代々お世話になってきたお寺への感謝の意として支払われることが一般的です。
トラブルを避けるためにも、お寺に長年お世話になってきた感謝の気持ちを伝え、円満に離檀することが重要です。
墓じまいを行う際には、トラブルにならない為にも以下の2点に気を付けて墓じまいを進めていきましょう。
お墓の後継者が独断で墓じまいを決めてしまいトラブルになるケースはとても多いです。
叔父叔母や兄弟姉妹、従妹には事前に墓じまいの相談は伝えておきましょう。
親族やお寺・石材店に相談しにくい場合には墓じまいの専門家や墓じまい専門サイトに相談してみるのも良いでしょう。
墓じまいの専門家に相談することで、円滑に墓じまいを進めていくことができます。
墓じまい行う際に、費用に関するトラブルはとても多いです。
檀家を抜ける際に、百万単位の高額請求をされたケースや悪徳な業者から高額な見積りを渡されることもあります。
費用に関するトラブルを避けるためにも、複数社から見積りを取ることや専門家に見積り・離檀料の金額は適正か相談するとよいでしょう。
墓じまいをした後は、ご遺骨を供養しなければなりません。
墓じまい後の供養方法は、「身体的、精神的、金銭的な負担が少ない」、「自宅から近い」などの観点から選ぶといいでしょう。
ここからは墓じまい後の供養方法を解説いたします。
一般墓とは、墓地に個別の墓石を建てて、遺骨を納める伝統的な供養の形です。
一般墓の平均費用は約100万~300万円となります。
【メリット】
・今までと同様にお墓参りをすることができる。
・故人専用の墓地なので、それぞれにお参りスペースがある。
【デメリット】
・他の供養方法に比べて費用が高い。
・お墓の清掃や管理を定期的にしなくてはならない。
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花の下に遺骨を埋葬する供養方法です。
自然と共存する供養の形として近年最も人気な供養方法です。
樹木葬の平均費用は約20万円~100万円となります。
【メリット】
・費用を安く抑えられる。
・永代供養の為、後継者がいなくても問題ない。
【デメリット】
・家族や親族から理解を得られない可能性がある。
・期限を過ぎると、遺骨が合祀され取り出せなくなる場合がある。
永代供養墓とは、家族や親族がお墓の管理をしなくても霊園や寺院が責任をもって管理・供養をしてくれるお墓です。
比較的費用が安く抑えられるので、樹木葬と同様に人気を集めています。
永代供養墓の平均費用は約5万円~150万円となります。
【メリット】
・一般墓に比べて、費用を安く抑えられる。
・お墓を管理する必要がない。
【デメリット】
・合祀をすると遺骨を取り出すことができない。
・家族や親族から理解を得られない可能性がある。
納骨堂とは、遺骨を屋内の個別スペースに収蔵する施設です。
屋内にあるため天候に左右されず、いつでもお墓参りに行くことができます。
納骨堂の平均費用は約20万円~180万円となります。
【メリット】
・天候に左右されないので、いつでもお墓参りに行くことができる。
・お墓の管理や清掃の手間がかからない。
【デメリット】
・期限を過ぎると、遺骨が合祀され取り出すことができない場合がある。
・建物の老朽化によって、地震などの自然災害時に崩壊や損傷のリスクがある。
散骨とは、従来の供養方法とは異なり、遺骨を細かく砕き自然に還すという供養方法です。
散骨には、遺骨を海に撒く「海洋散骨」と山や森林に撒く「森林散骨」、遺骨を宇宙に飛ばす「宇宙葬」があります。
散骨の平均費用は約2万円~100万円となります。
【メリット】
・海や山、宇宙などに思い出がある方にとっては、故人の希望を尊重した供養ができる。
・他の供養方法と比べて、費用が1番安い。
【デメリット】
・遺骨をパウダー状にして自然に還すので、手を合わせる場所がない。
・一度散骨をしてしまうと、手元に遺骨は残らず取り戻すことができない。
手元供養とは、故人の遺骨を自宅など身近な場所に保管する供養方法です。
いつでも故人を身近に感じられることから注目を集めています。
【メリット】
・遺骨ペンダントなど故人をいつでも、どんな時でも身近に感じることができる。
・お墓参りに行けなくても、自宅でお参りができる。
【デメリット】
・持ち歩くことができるので、紛失の恐れがある。
・遺骨の処分が自由に行えないので、残された方の負担になる。
墓じまいを検討している方がどのように情報収集を行っているのか、具体的な方法を紹介します。
・ご本人やご家族がインターネットで条件に合う墓地を探す
・HP検索(例:静岡県 墓じまい)
・ポータルサイトで調べる
・墓じまいサイトで問い合わせ
・近隣霊園をチェック
・ネットで検索して調べる
・知り合いや親戚に聞く
・実際に墓じまいをした知人から聞く
・近所の口コミ
・知人からの紹介
・葬儀をした際に葬儀社からのアドバイス
・石材店に聞く
・霊園、石材店のチラシ
・お寺からの紹介
・石材店に相談する
・仏壇店に相談する
・墓じまいの専門業者に相談する
・セミナーに参加する
・書籍
・新聞
・ニュース
・報道番組
・チラシ
墓じまいを検討している方の中には「どこに依頼したらいいのか分からない」「お寺に直接相談するのは気が進まない」というお悩みを抱えている方も少なくはありません。
実際に皆様がお寺ではなく、当サイトのような「墓じまい業者」に頼む理由についてご紹介いたします。
去の対応からお寺に対して信用がなくなったケースやお寺自体が敷居が高く、相談しづらいという方もいらっしゃいます。
コンビニやスーパーのように毎日行く場所ではないので、気軽に相談できる雰囲気ではないと感じる方が多いようです。
墓じまいの専門サイトは気軽に相談できるという大きなメリットがあります。
見積りを依頼しても費用がかかることなく、断りやすいということです。
・手っ取り早く情報収集ができる
・相談に乗ってくれる
・現実的な内容を伝えてくれ、現状の問題点を洗い出す改葬カルテの提案をしてくれる
・地元にいないため石材店やお寺との付き合いがない
などの理由もございました。
墓じまいを依頼する業者や石材店によって料金が異なってきますので、比較・検討しよく考えてから行うといいでしょう。
墓じまいにかかる費用は平均100万円~300万円と言われています。費用の内訳は一概にはなく、お墓のある立地やお墓の形状やサイズによって費用は異なります。
墓じまいをする理由は、「お墓の管理が困難」「後継者がいない」「経済的な理由」大きくこの3つが挙げられます。
お墓によって安置期間や宗教・家族の方針によって異なりますが、一般的には17回忌、33回忌、55回忌などの法要年数で検討される方が多いです。遺骨の安置期間は霊園や寺院毎に何年までと期限が設定されています。
結論、墓じまいをしてはいけない時期はありません。ただ、お盆やお彼岸、年末年始など忙しい時期になるので、その時期は外した方がいいでしょう。また、梅雨の時期や冬、天候が変わりやすい時期では、作業が予定通りに進みにくくなるので、この時期も外した方が良いでしょう。
永代供養の種類や遺骨の数によっても異なりますが、1柱約5万円~30万円です。樹木葬や納骨堂によっても1人あたりや、1区画あたりの費用は異なりますので事前に調べておきましょう。
お墓が放置されたまま一定期間が過ぎると「無縁墓」と扱われる可能性があります。その後、お墓が強制的に撤去され、合葬墓に移されてしまうケースもあります。
墓じまいをして出てきた古い骨は供養しなければなりません。墓じまいをする前に遺骨をどうするのか決めておくことが重要です。
「墓じまい」とは何か、費用や手続きの流れなど、墓じまいに関する基本的な情報を徹底的に解説しました。
墓じまいを検討されている方は、是非本記事を参考にして、後悔のない墓じまいにしてください。